選べる株式は約3,800社。投資先の選び方って?企業の事業内容や業績について自分で調べてみよう
たくさんある株式の中からどの企業の株式を選べば良いのか分からず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか? この記事では、投資先の選び方について解説します。
個人投資家が取引できる株式とは
1. 上場企業の株式
上場企業の株式とは、証券取引所(金融商品取引所、以降「取引所」)に上場している株式のことです。
東京証券取引所には、約3,800の上場維持基準(経過措置を含む)を満たした企業が上場しています。
2. 非上場企業の株式
非上場企業の株式とは、取引所に上場していない企業の株式のことです。
不特定多数の投資家が自由に売買できる市場がなく、市場価格も存在しません。
投資する株式の選び方
誰かが推奨している株式を購入することは簡単ですが、投資先の事業内容や業績について自分でも調べてみましょう。これらと株価水準を合わせた以下の情報を確認して、投資する株式を選ぶことが大切です。
事業内容から投資先を選ぶ
証券会社のホームページや会社四季報などを参照して、企業の事業内容を確認します。
投資の神様と呼ばれているウォーレン・バフェット氏も、「事業内容を理解できない会社には投資しない」と公言しています。
事業内容を確認することで、企業がどのような事業を手掛け、どのようにして利益を出しているのか、そしてその企業のビジネスモデルを理解ことができます。
業績から投資先を選ぶ
企業情報から、売上高、営業利益、経常利益、純利益を確認します。
各社の決算短信や会社四季報などには、次期業績予想が掲載されていることもあります。次期業績予想や過去の業績推移から、良い業績が続きそうな企業は、株価の上昇が期待できるかもしれません。
株価の水準から投資先を選ぶ
良い業績の企業でも、業績が既に株価に織り込まれている場合は、今後の株価の上昇はあまり期待ができない場合もあります。
今後の株価の上昇が期待でき、株価が割安と判断できる企業を探す必要があります。
株式指標も参考にして、株価が割安かどうか判断しましょう。
PER (Price Earnings Ratio/株価収益率)
株価 ÷ 1株当たり純利益
日本の上場企業の平均PERは15倍といわれています。
PERの数値が10倍台と低ければ、株価には企業価値が反映されておらず、株価上昇が期待できるといえるでしょう。(しかし、例えばIT系企業は実績よりも期待による先行投資から、PERが100倍を超えているケースもあり、判断が難しいです。)
PBR (Price Book Value Ratio/株価純資産倍率)
株価 ÷ 1株当たり純資産
PBRは数値が1倍または1倍以下であれば株価が割安・底値圏なので、投資に最適な時期と判断することができるでしょう。
ROE (Return On Equity/株主資本利益率)
(当期純利益 ÷ 自己資本) × 100
ROEの数値が高いと、資金を有効活用して経営できているといえ、将来の発展が期待できます。
自分の目線で投資先を選ぶ
身近な企業に投資する
投資先の選び方として、事業内容から判断するという方法を紹介しました。
まずは、興味があり、身近に感じることのできる企業を選んでみるのがよいのではないでしょうか。興味があると、入ってくる情報量も多くなり、その企業の事業内容もについて、楽しく調べることができるでしょう。
配当金と株主優待も確認
株式を売却して得られる売却益(キャピタルゲイン)だけでなく、株式を保有している期間に得られる利益(インカムゲイン)である配当金や、株主優待も確認してみましょう。
こんな銘柄には要注意
- 主軸事業が不明確かつ事業内容が不透明で、頻繁に事業計画を変更する企業 (株価下落やデフォルトのリスク)
- 取引量が少なく、流動性の低い株式 (希望するタイミングと価格で売買が成立しないリスク)
- 株価の変動幅が大きい株式 (購入や損切のタイミングの見定めが難しく、損失が大きくなるリスク)
様々な企業情報を元に、総合的に投資先を選ぼう
誰もが一度は聞いたことがある大企業や業績の良い企業を、投資対象に選んでおけば問題ないというわけではありません。企業の事業内容、業績、株価水準を確認して、総合的に判断することが必要です。
「やっぱり株式投資は自分には難しすぎる」と感じたり、自分で色々と調べる時間がないと感じたりする場合は、株式が組み入れられている投資信託の購入から始め、組み入れられている株式が投資信託の投資先として選ばれた理由を自分なりに分析するのも株式投資の第一歩につながります。
様々な企業情報に触れて、自分なりに考えてみる。このプロセスを継続し、総合的に判断できる株式投資につなげて下さい。